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軍縮大使が慰霊碑献花 広島の平和記念公園

 防衛省出身者として初めて軍縮大使に就いた高見沢将林(のぶしげ)氏(61)が20日、スイス・ジュネーブへの赴任を前に広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花した。3月に米ニューヨークで始まる「核兵器禁止条約」の制定交渉会議について、「関係国の動向をよく把握し、誠実に対応したい」と述べた。

 軍縮大使はジュネーブ軍縮会議の政府代表部トップで、核軍縮を巡る国際会議で交渉の最前線に立つ。高見沢氏は1978年に防衛庁(現防衛省)に入り防衛政策局長などを歴任。2013年から3年間、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を務めた。外務省によると、軍縮大使のポストは1971年に設けられ、高見沢氏で18人目。

 園内では原爆資料館と国立広島原爆死没者追悼平和祈念館も見学した。市役所で松井一実市長と会談し、「軍縮大使の立場で改めて見学し、心が引き締まる思いだ」と語った。

 日本政府は昨年の国連総会で禁止条約の交渉開始決議案に反対した。市長との会談後、高見沢氏は記者団に交渉へのスタンスを問われ「廃絶への方法は禁止条約一つではない。いろいろな取り組みの知恵を尽くす」と話した。その後、園内の広島国際会議場で広島県被団協の坪井直理事長(91)と懇談し、激励を受けた。

(2017年1月21日朝刊掲載)

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