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戦後に米から文具⇔児童は絵でお礼 本川小と教会 友好を映画化

 広島原爆の爆心地に近い本川小(広島市中区)の児童が、1947年に米ワシントンの教会から届いた文房具など支援物資のお礼に、描いた絵などを贈った史実を描いたドキュメンタリー映画がほぼ完成した。26日、当時の児童たち約50人を招いた試写会が中区であった。(長久豪佑)

 タイトルは「ヒロシマの校庭から届いた絵」。米国在住の舞台芸術家、重藤マナーレ静美さん(62)が制作した。

 当時のいきさつや、今も教会が作品を保存していることに感銘を受けた重藤さんが、2006年に制作を開始。教会関係者や当時の児童のインタビューを重ね、平和を築くための交流の大切さを描いた。

 試写会では1時間45分の試作品を上映。桜が咲く市内の様子を絵にした石田俊海さん(71)=中区=は「原爆投下を肯定する米国の人たちにぜひ見てほしい」と述べた。

 重藤さんは「小さな友好が平和への種となることを、映画を通して世界中の人に知ってもらいたい」と話す。映画は来年5月に完成予定で、同月のカンヌ国際映画祭(フランス)に出品する。

 8月1日には原爆資料館(中区)で特別試写会を開く。無料。試写会実行委員会の世良俊邦事務局長Tel090(4651)4744。

(2012年7月27日朝刊掲載)

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