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「患者と歩む」卒論で誓う 被爆者支援の社会福祉士聞き取り 山口県立大・浦田さん

 被爆者支援を続ける社会福祉士へのインタビューを通じて仕事や生き方について考えた卒論を、山口県立大社会福祉学科4年浦田さや香さん(22)がまとめ、7日の授業で発表した。「患者と同じ目線に立つ」姿勢を自らも心に誓い、4月から下関市の病院で社会福祉の仕事に歩みだす。

 浦田さんは、広島市の病院に勤めながら被爆者健康手帳の交付申請などの支援に取り組む社会福祉士を知り、インタビューした。就職前は被爆者への関心は乏しく、支援団体で活動を始めて被爆者と接する中で怒りや悲しみを知ったと聞いた。それが追体験となり、福祉の仕事でも人権を守る使命感を強めたという見方を紹介した。

 浦田さんが昨年度、ゼミで取り組んだ被爆者の聞き取りがきっかけ。生身の人間と向き合い、被爆後の生活にも関心を持った。暮らしを支える福祉を学ぶ自身の関心に引き付けてテーマを選んだ。

 この日、3、4年生約20人の前で発表した浦田さん。社会福祉士を目指しており、「患者と共に歩みながら自分の使命や責任を考え、課題に取り組んでいきたい」と話した。(宮野史康)

(2017年2月9日朝刊掲載)

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