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地道な国際交流に奨励賞 ヒロシマ平和創造基金 1個人3団体選ぶ

 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金(理事長・岡谷義則中国新聞社社長)は13日、国境を越えて地道な国際交流・平和活動に取り組む団体や個人に贈る本年度の「国際交流奨励賞」に、広島県内の1個人と3団体を選んだ。

 個人は核兵器廃絶に向け2011年から講演する平野由美恵さん(70)=広島市中区。市の「被爆体験伝承者」を務めながら、平和記念公園(中区)を自ら英語で案内した人らの仲介で米国やペルー、ポーランドなどを訪れて訴えた。

 3団体は、NPO法人虹橋(にじはし)の会(西区)▽リンガヒロシマ(呉市)▽被爆体験を継承する会(南区)。ことし設立15周年を迎える虹橋の会は中国残留孤児の岩井梅子さん(71)=西区=が理事長を務める。02年から和紙のちぎり絵を日中両国で制作し、ヒロシマの願いも発信してきた。

 リンガヒロシマは広島・長崎に落とされた原爆について記した世界中の本を研究。約70言語、2千冊以上の情報を集めた。データベースを構築、ウェブサイトでリスト公開の作業を進める。被爆体験伝承者5人でつくる被爆体験を継承する会は原爆に関する映画を上映。「アトミック・マム」「太陽が落ちた日」など海外作品の監督と観客が意見を交わす場を設け、平和を考える視点を広げている。

 応募は、前年度より4件多い17件あり、2年続けて最多を更新した。芸術や教育などを通した取り組みについて広島県内外から寄せられた。

 表彰式は3月2日、中国新聞ビル(中区)であり、それぞれに表彰状と奨励金10万円が贈られる。(山本祐司)

(2017年2月14日朝刊掲載)

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