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オスプレイ 日米政府に飛行中止要請 渉外知事会

 米軍基地を抱える山口、広島など全国14都道県でつくる渉外関係主要都道県知事連絡協議会(渉外知事会)は27日、米海兵隊岩国基地(岩国市)に搬入されたMV22オスプレイをめぐり、安全が確認されるまで飛行させないことなどを日米両政府に要請した。

 会長の黒岩祐治神奈川県知事と副会長の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)沖縄県知事が米大使館を訪れ、カート・トン臨時代理大使と非公開で会談した。

 トン臨時代理大使は「配備ありきではない。日本人の感情を重視しなければいけない。しっかり情報提供しながら、忍耐強く話し合いを進めたい」と答えたという。会談後、黒岩知事は「米側の慎重姿勢を確認できた。大きな成果があった」と語った。

 会談で知事会側は、基地問題や日米地位協定の見直しをめぐり、2008年以降開かれていない両政府との定期協議再開も求めた。

 これに先立ち、東京都内で開いた渉外知事会総会で、仲井真知事は「事故原因の究明、安全性の確認、県民への納得のいく説明の3点が沖縄の要求だ」と訴えた。(武河隆司)

オスプレイ低空訓練中止 防衛省に署名 全国ネットワーク

 広島、島根県をはじめ米軍機の低空飛行訓練に反対する各地の市民団体などでつくる「米軍機低空飛行問題全国ネットワーク検討会」が27日、MV22オスプレイの低空飛行訓練中止を米側に働き掛けるよう、10県計893人分の署名を添えて防衛省に申し入れた。

 岡本幸信事務局長(三次市)ら5人が同省を訪れ、日米防衛協力課の担当者に面会。米軍が公表した6ルートや、中国地方と想定される「ブラウンルート」でのオスプレイの低空飛行訓練が「騒音の増大と墜落の危険という苦痛をさらに強いる」と訴えた。

 申し入れ後、会見した岡本事務局長によると、省側は「低空飛行訓練は必要」との従来の姿勢に終始したという。「米側による低空飛行の環境への影響評価は飛行実態を踏まえておらず信用できない」と批判した。

低空訓練 岡山知事が懸念を表明

 岡山県の石井正弘知事は27日の記者会見で、米軍が米海兵隊岩国基地に搬入したMV22オスプレイの低空飛行訓練を中国山地で実施する可能性があることについて「非常に懸念を覚える」と述べ、訓練をさせないよう国に求める考えを示した。

 県内では津山市で昨年3月、米軍機2機が低空飛行した直後に民家の土蔵が倒壊したほか、小学校で騒音により授業が中断する被害が出ている。

 石井知事はオスプレイの安全性への懸念を示した上で、「低空飛行訓練はたびたび問題を起こしている。強い姿勢で国に要請することになる」と述べた。

 低空飛行訓練のルートをめぐって米軍は、中国山地を東西に貫く「ブラウンルート」の存在を認めている。石井知事はまず、訓練計画の詳細を明らかにするよう国に迫る考えだ。

(2012年7月28日朝刊掲載)

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