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ナガサキの歴史 現地で学ぶ旅へ 広島の平和公園で活動3団体

 平和記念公園(広島市中区)で活動する三つのボランティア有志が18、19の両日、合同で初めて長崎市への研修旅行に出かける。原爆資料館のピースボランティア(PV)と被爆体験伝承者、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の朗読ボランティアで計40人が参加。両被爆地の歴史を一層理解すると同時に、長崎の関係者との交流も深める。

 ボランティア有志は昨年6月、初の研修会を同公園内で開いた。「ヒロシマを伝える者同士でも横のつながりが少ない。連携を」との狙いで、被爆の実態や被爆者の願いをうまく伝える工夫など意見交換した。今回の長崎研修は、PVらが中心となり、計画した。

 参加者はバスで長崎入りし、原爆資料館や追悼平和祈念館を見学。原爆で1400人以上の児童や職員が犠牲になった城山小の被爆建物にある「祈念館」も訪れる。いずれも長崎の展示解説ボランティア「平和案内人」計8人に同行してもらい、解説に耳を傾ける。

 PVとして英語解説を担当する岡本とし子さん(63)は「外国人の来館者から、長崎について質問されることがよくある。8月6日と9日、両方の被害を知ろうとする人に応えるため学びたい」と話している。

 PVは約200人が曜日ごとのグループに分かれ、原爆資料館の展示物や慰霊碑の解説を担っている。朗読ボランティアは追悼平和祈念館で被爆体験記や原爆詩を読み聞かせている。被爆体験伝承者は、高齢化する被爆者に代わって修学旅行生らに体験を証言している。(金崎由美)

(2017年2月14日朝刊掲載)

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