×

ニュース

森重昭さんを表彰 本願寺派 被爆死米兵の追悼評価

 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)が、被爆死した米兵捕虜12人について調査し追悼する活動を続けてきた歴史研究家で被爆者の森重昭さん(79)=広島市西区=を表彰した。

 森さんは同派寺院の門徒。国民学校3年の時に被爆した。会社勤めをしていた38歳の頃から、地域の被爆史の研究と米兵捕虜の調査を続け、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)に米兵捕虜の遺影を登録したり、遺族と手紙のやりとりを続けたりしてきた。昨年5月には広島を訪れたオバマ米大統領(当時)と対面して抱擁を交わした。

 石上智康総長名の表彰状は、被爆死した米兵捕虜を特定し、平和に尽力した森さんの取り組みを「衆人の範」とした。本願寺広島別院の安部恵証輪番(64)が自宅を訪ねて森さんに手渡した。

 安部輪番は「敵味方を超え、慈悲の心で接する『怨親平等』の教えの実践」と評する。森さんは「戦争が起こると味方も敵も苦しみ、遺族に悲しみをもたらす。戦争は二度としてはいけない」と話していた。(桜井邦彦)

(2017年2月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ