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[忘れない 震災6年 しまね] 避難の苦悩 身に染みた 坂本さん体験語る

松江で県民集会 現地状況報告も

 東日本大震災から6年を迎えた11日、東京電力福島第1原発事故や被災地への支援を考える県民集会が松江市末次町の末次公園であった。福島県三春町から雲南市木次町に避難している主婦坂本美緒さん(39)たちが体験や思いを語り、約500人が聞き入った。(西村萌)

 坂本さんは、原発事故直後から、当時2歳半だった長女と関西地方を転々とした後、2011年5月から友人に紹介されて江津市へ。15年春からは雲南市で暮らす。「生き方や暮らしが大きく変わった。住民がどんな目に遭うかが身に染みた」と振り返った。

 現在は、避難者支援の団体「311ご縁つなぎネットワーク わっかラボしまね」のメンバーとして活動。昨年9月に松江市灘町に拠点となるオープンスペースを作り、週2回県内の避難者と交流する。「悩みやつらさを分かち合う場所として活用してほしい」と呼び掛けた。

 集会は中国電力島根原発(同市鹿島町)の稼働に反対する市民団体「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」の主催。冒頭、全員で黙とうした。

 福島県内の被災地支援を続けている松江生協病院(同市西津田)の樋野伸一放射線技師も現地の状況を「浪江町、飯舘村などの一帯は6年前の原発事故当時のままだ。避難者が帰るにはなお、難しさを感じる」と報告した。

(2017年3月12日朝刊掲載)

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