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朝鮮通信使 鞆彩る 福山で開幕 伝統衣装で入港再現

 江戸期の外交使節団「朝鮮通信使」の歴史をたどるイベント「21世紀の朝鮮通信使・鞆」が11日、寄港地の一つだった福山市鞆町で始まった。通信使の関連資料の世界記憶遺産登録への期待が高まる中、12日まで多彩な催しがある。

 正午すぎ、通信使船を模した客船が常夜灯の前に到着。伝統的な衣装を着た徐張恩(ソ・ジャンウン)駐広島韓国総領事たち約50人が下りると、約400人の住民や観光客たちが日韓の言葉で「歓迎」と書いた旗を振ったり、拍手したりして迎えた。

 着物姿で迎えた枝広直幹市長は「鞆には数々の友好の足跡が残っている。両国の絆を感じ取ってもらいたい」とあいさつ。徐総領事は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産登録を願い、「韓国と日本がより望ましい関係になることを祈ります」と述べた。

 通信使を再現した関係者たちは、日韓の伝統的な踊りを披露しながら鞆公民館まで歩いた。通信使が泊まった福禅寺対潮楼では、日韓のトップ棋士による囲碁対決もあった。

 イベントは福山市などでつくる実行委員会の主催。12日は全国ゆかりの地の交流大会や、両国の琴の演奏会、書道のパフォーマンスなどがある。(榎本直樹)

(2017年3月12日朝刊掲載)

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