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朝鮮通信使 まちつなぐ 全国ゆかりの自治体 福山市鞆で大会 記憶遺産へ歴史学ぶ

 「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流福山大会」が12日、福山市鞆町の市鞆公民館であった。通信使が立ち寄った全国の自治体から約240人が参加。江戸時代の親善外交の歴史を学び、通信使の関連資料の世界記憶遺産登録の実現を祈った。(衣川圭)

 通信使の歴史に詳しい京都造形芸術大の仲尾宏客員教授は、鞆に残る通信使の遺墨などについて説明。「江戸時代の人も重要さを認識し、通信使の書を木額にして永久保存を望んだ」と話し、傷みが進む遺産候補の書のレプリカ作成を促した。

 鞆小6年生は、通信使と鞆の関わりを紹介する劇「日東第一形勝物語」を披露。日本の琴と、韓国の琴「カヤグム」の調べで大会歌「アゲイン~出会いの町」を合唱した。他にも、通信使行列をまねたとされる津市の「唐人踊(おどり)」の披露や、両国の書家が「善隣友好」と書くパフォーマンスなどを通じ、日韓の友情を誓った。

 福山市青葉台の山崎百合恵さん(69)は「子どもたちの劇で、日韓交流の歴史がよく分かった」。東京から訪れた在日本大韓民国民団の徐順子(ソ・スンジャ)さん(53)は「通信使のころのように交流が盛んになり、親睦が深まってほしい」と話した。

 大会はイベント「21世紀の朝鮮通信使・鞆」の一環で鞆では20年ぶりの開催。この日は、日韓交流視覚障がい者囲碁対局などもあった。

(2017年3月13日朝刊掲載)

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