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4原発 廃炉認可先送り 島根1号機など 規制委、安全面で指摘

 原子力規制委員会は29日、中国電力島根原発1号機(松江市)の廃炉工程を示した「廃止措置計画」について議論した。新規制基準に基づいて認可する見通しだったが、委員から設備の安全面への指摘があり、先送りになった。

 規制庁の職員が定例会合で、島根1号機を含む4原発5基の審査書を提示。委員の了承を得た上で、この日に計画を認可する方針を説明した。

 しかし更田豊志委員が、使用済み燃料プール内で燃料棒が落下した場合の安全性について指摘。落下時に放射性物質が放出される量の根拠が4原発とも明記されていないとして、認可を次回以降に見送った。

 島根1号機以外は、関西電力美浜1、2号機(福井県)、日本原子力発電敦賀1号機(同)、九州電力玄海1号機(佐賀県)。いずれも運転開始から40年以上たち、廃炉が決まっている。

 田中俊一委員長はこの日の記者会見で「技術的な説明が分かりやすくなかった。分かりやすく記述を修正した上で、もう一度委員会に諮っていただく」と述べた。

 島根1号機は、政府が原発の運転期限を原則40年と定めたため、中電が2015年3月に同社初の廃炉を決定。作業工程を4段階に分け、45年度までに約382億円で解体を計画している。

 中電は規制委の認可を得られれば、安全協定に基づいて島根県と松江市の事前了解を得た上で、廃炉作業を始める方針でいる。(河野揚)

(2017年3月30日朝刊掲載)

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