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大和船体 三つに分裂 呉市潜水調査の結果発表 探照灯写真も公開

 呉市は30日、東シナ海で昨年5月に実施した戦艦大和の潜水調査の分析結果を発表した。艦の中央部に大きな穴が開いた姿で沈んでいるとの定説に反し、実際は三つに割れていたことが判明。専門家は「より大きな爆発が内部で起こっていた」とみている。当時国内最大級だった探照灯の写真も初めて公開した。

 大和は水深約350メートルの海底に横たわっている。無人潜水探査機による映像を分析した結果、全長263メートルの船体は、三つに分かれている。さらに、第2主砲塔の上部を、艦首部分から約170メートル離れた地点で初確認。裏返しの状態で砲身は見えなかった。

 大和は米軍機の魚雷や爆弾を受け、第2主砲塔下の火薬庫が爆発したとされる。大和ミュージアム(呉市)の戸高一成館長は「火薬庫の爆発が損傷に最も大きな影響を与えた。工学の専門家たちの力も借りて、破壊のプロセスを追究していく」と話す。

 夜間に敵艦を探る探照灯は直径が1・5メートルに及ぶ。艦尾部分から25メートル近く離れた地点で発見。レーダーアンテナも見つかった。

 呉市は4月26日から調査の成果を報告する企画展を同ミュージアムで開く。これに先立ち、内覧会も24日午後2時と3時の2回企画する。各回定員25人。当日午後1時に同ミュージアム前で整理券を配る。

 大和は1945年4月7日、長崎県五島市の男女群島の南沖176キロで沈没した。(今井裕希)

(2017年3月31日朝刊掲載)

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