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被爆前後の広島 CGで 資料館東館 新展示 きょう一般公開

 原爆資料館(広島市中区)は25日、耐震化工事に合わせて全面的に見直した東館の新たな展示を報道機関に公開した。核兵器の非人道性や原爆投下後の復興の歩みを最新の映像技術で視覚的に伝える。26日から一般公開する。

 約1分半のCG映像を市街地の模型(直径5メートル)に投影し、原爆投下により一瞬で暮らしが失われる様子を表した「ホワイトパノラマ」や、展示の関連情報を検索できる端末「メディアテーブル」を新たに導入。文字情報だけでなく感覚に訴える多彩な手法で来館者の理解を深める。

 展示全体は、被爆前後の街並みをパノラマ写真などで見せる「導入展示」、放射線の影響や核開発の現状を解説した「核兵器の危険性」、復興や平和への取り組みを伝える「広島の歩み」の3部で構成する。

 東館の開館と入れ替わりで26日から本館を一時閉鎖する。東館の企画展示室では本館の閉鎖中、犠牲者が被爆時に身に着けていた衣服や日記などの実物資料52点を展示。うち40点は収蔵庫から新たに出し、残りの12点は本館から移す。

 市は本館の耐震化を進め、被爆の惨状や核兵器の非人道性をより分かりやすく伝える目的で2014年3月に全面改修に着手。同年9月に東館の展示スペースを閉じて改装を進めていた。本館は来月以降に着工し、18年7月の開館を目指す。総事業費は70億3600万円。(野田華奈子)

(2017年4月26日朝刊掲載)

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