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旧日本軍の中国軍管区司令部跡 老朽化進み見学中止 広島市中区

 広島市中区の広島城本丸跡にある被爆建物、旧日本軍の中国軍管区司令部跡(旧防空作戦室)の老朽化が進み、所有する市が先月24日から内部見学を中止した。来年度から耐震工事に入る予定で、見学の再開時期は未定という。

 市が4月、耐震調査に備えて視察したところ、天井や壁のコンクリートが剝離しているのを確認。落下の危険性があるため見学中止を決めた。半地下式でコンクリートの上に土を盛った構造のため、雨水が浸透して鉄骨がさびて膨張し、剝離が進んでいるという。

 市は本年度に実施する耐震調査の結果や工事内容を踏まえ、見学が再開できるかどうか判断する。

 旧防空作戦室は爆心地から北約790メートルに位置。原爆による広島壊滅の第一報を伝えたとされる。通常は施錠しており、申請に応じて公開していた。昨年度は修学旅行生たち9610人が見学した。

 市緑政課は「老朽化が進んでおり安全確保を最優先した。内部の様子をパネルなどで紹介する方法も検討したい」としている。(野田華奈子)

(2017年5月3日朝刊掲載)

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