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法王謁見 成果を強調 湯崎知事 欧州で広島訪問要請

 広島県の湯崎英彦知事は16日の記者会見で、1~7日の欧州訪問について報告した。バチカンで一般謁見(えっけん)したローマ法王フランシスコへの広島訪問の要請については「被爆地の思いを前向きに受け止めてもらった」と成果を強調した。また、広島市中区の広島中央署で証拠品の現金8572万円が盗まれた事件については「驚くべき事態」と述べた。

 欧州はオーストリア、バチカン、ノルウェー、スウェーデンの4カ国を訪問。法王には被爆地広島を訪れて平和のメッセージを発信するよう求めたという。湯崎知事は「短い時間だったが、県民全体の願いとして話すと、うなずきながら聞いてもらえた」と説明。首相に相当するパロリン国務長官との面会では、バチカン政府内で広島訪問を検討しているとの話題も出たという。

 オーストリア・ウィーンでは、現地で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会に合わせ、県がシンポジウムを開いた。当初計画した核兵器保有国と非保有国双方の政府代表の登壇は実現しなかった。湯崎知事は「残念だったが、双方の立場を熟知する研究者の登壇でバランスの良い意見交換ができた」と述べた。

 期間中、スイス・ジュネーブの国連軍縮研究所▽ノルウェーのオスロ平和研究所▽スウェーデンのストックホルム国際平和研究所―の3機関とそれぞれ、核軍縮などの研究に関する連携協定を締結した。

 広島中央署で金庫から8572万円が盗まれた事件については「県警も威信を懸け捜査していると思う。進展を見守りたい」と述べた。(明知隼二)

(2017年5月17日朝刊掲載)

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