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山口知事は見解示さず 普天間の移設見通し

 米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機61機の移転計画を巡り、山口県の村岡嗣政知事は19日の記者会見で、受け入れ判断の前提条件とする米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設見通しについて「(艦載機移転の是非と)併せて判断したい。現時点で申し上げることはない」と従来の方針を繰り返した。

 岩国市の福田良彦市長は14~16日の沖縄視察後の17日に「(普天間移設の)見通しは立った」との見解を示した。この発言について、村岡知事は「市長は市長の考えで沖縄に行かれ、コメントされた」と指摘。一方、自身は沖縄県を視察する考えはないとした。

 普天間移設を巡っては、名護市辺野古への移設を進める政府と反対する沖縄県が対立している。移設見通しの判断に与える影響を問われると、村岡知事は「国と沖縄で話をされて進めるべきもの。県としては、国の対応、方針を確認して判断したい」と述べた。

 その上で、在日米軍再編が一つのパッケージであり「普天間移設の見通しが立たないうちに艦載機移転のみを切り離して進めることは認められない」との従来のスタンスを強調。岩国市など「地元の意向を尊重する」とした基本姿勢と併せ、この二つが艦載機受け入れを判断するための前提条件として残っているとの認識をあらためて示した。(和多正憲)

(2017年5月20日朝刊掲載)

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