×

ニュース

副理事長が来月渡米 広島県被団協 禁止条約会議傍聴へ

 広島県被団協(坪井直理事長)は19日、広島市中区で開いた総会で、米ニューヨークの国連本部で6月15日から始まる第2回の「核兵器禁止条約」制定交渉会議に合わせ、被爆者の箕牧(みまき)智之副理事長(75)を現地に派遣すると発表した。

 箕牧副理事長は日本被団協代表理事の立場で派遣される。来月14~22日の日程で渡米。交渉会議を傍聴し非政府組織(NGO)の関連集会で被爆体験を語るという。総会後、「被爆者が生きている間に核兵器廃絶を実現してほしい。私たちの体験が、条約制定の力になればと思う」と話した。

 総会には、県内の被爆者団体の代表たち約50人が出席。核兵器を禁止し、廃絶する条約を全ての国に結ぶよう求める「ヒバクシャ国際署名」を首長たちにも広げる方針などを盛り込んだ本年度の事業計画案を承認した。質疑では、県東部の会員から「高齢化で支部が解散の危機にあるが、合併すると区域が広がって動きにくい」などと組織の存続に関する悩みが出た。(野田華奈子)

政府の交渉参加 働き掛け求める 広島県・市に原水禁

 広島県原水禁は19日、「核兵器禁止条約」の制定交渉会議に参加していない日本政府に参加を促すため、湯崎英彦知事と広島市の松井一実市長に対し、被爆地の代表として先頭に立って要請行動を取るよう申し入れた。

 秋葉忠利代表委員たち3人が県庁と市役所を訪問。安倍晋三首相と、衆院広島1区選出の岸田文雄外相への働き掛けが重要とし、「被爆者団体や平和団体などに呼び掛けてヒロシマの声を直接届ける行動を計画してほしい」とする要請書を提出した。

 市役所では市民局の谷本睦志局長が対応。「会議への参加は被爆者の総意。勇気を持って参加するよう日本政府に訴える」との松井市長からのメッセージを読み上げた。秋葉氏は要請後の記者会見で「被爆者が減る危機感を共有してほしい」と述べ、一刻も早い核兵器廃絶の実現を求めた。

 第2回制定交渉会議は来月15日に始まる。日本政府は第1回会議開幕後の3月28日、不参加を表明した。

(2017年5月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ