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米軍低空飛行目撃1227件 広島県内昨年度 2年連続の増加

 広島県が県内市町を通じて把握した、米軍機とみられる低空飛行の2016年度の目撃件数は前年度比1件増の1227件だった。2年連続の増加で、調査を始めた1997年度以降で5番目に多い。米海兵隊岩国基地(岩国市)では今年7月以降、空母艦載機61機が移転してくる計画がある。県は低空飛行がさらに増えるのではと懸念している。

 市町別は、北広島町909件(前年度比196件増)▽安芸太田町193件(同10件減)▽廿日市市91件(同54件減)▽三次市12件(同22件減)▽大竹市6件(同1件減)▽江田島市6件(同6件減)▽広島市5件(同83件減)▽庄原市4件(同17件減)▽世羅町1件(同1件増)。前年度各1件の呉、福山、安芸高田市はゼロだった。

 県内では中国山地を横断するとされる「ブラウンルート」や西中国山地の「エリア567」が訓練空域に設定されている。目撃の実日数は212日(同12日増)。日米合意で「必要不可欠なものに限定する」とされている土日・祝日は29日(同4日増)、目撃件数は82件(同39件増)に上った。夜間・早朝(午後7時~翌午前7時)は116件(同13件増)だった。

 国への提案活動の一環で湯崎英彦知事が防衛省と外務省に訓練中止などを直接要請する予定。在日米大使館や岩国基地にも要請文を提出する。(胡子洋)

(2017年5月20日朝刊掲載)

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