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呉市内の舞台 歩いて再発見 映画「この世界の片隅に」 

 呉市第6地区の住民が20日、アニメ映画「この世界の片隅に」に登場する市内の建物などを歩いて回った。舞台となった呉、広島両市に県内外から映画ファンが訪れる中、あらためて地元への理解を深めた。(益田里穂)

 参加した3~88歳の約70人は市スポーツ会館を出発。主人公のすずが闇市に出掛けるシーンで登場した国重要文化財の旧澤原家住宅や、嫁入りの日にバスを降りた辰川停留所など約3キロを2時間かけて巡った。参加者からは「すずさんと周作さんがいたのはこの辺じゃね」「映画にそっくり」などの声が上がった。

 上内神町の古川和子さん(75)は終戦当時長迫町に住んでいたという。「空襲の後、誰かに背負われて逃げたのを覚えている。このウオーキングを機にもう一回映画を見たくなった」と話していた。

 地元の良さをあらためて知る機会にしたいと、年7回ウオーキング会を開く「第6地区健康づくりのための運動普及推進協議会」などが企画した。

映画「この世界の片隅に」
 広島で生まれ、戦争末期の呉に嫁いだ主人公が、けなげに生き抜く姿を描く。原作は広島市西区出身の漫画家こうの史代さんの同名漫画。第90回キネマ旬報ベストテン日本映画1位に選ばれ、興行収入は17日現在で約25億8千万円、観客動員数は199万人を超える。

(2017年5月21日朝刊掲載)

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