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広島撮影 支援最多273件 「フィルム・コミッション」16年度 オバマ氏来訪効果か

 広島を舞台とした映画やテレビ番組の撮影を支援する広島市の広島フィルム・コミッション(FC)の2016年度の支援実績が273件に上り、過去最多を記録したことが22日、分かった。同FCは、昨年5月のオバマ米大統領(当時)の広島訪問の効果があったとみている。(渡辺裕明)

 16年度は308件の相談が入り、うち273件がロケに結びついた。内訳は映画14件▽テレビ番組149件▽テレビCM18件▽その他(プロモーションビデオ、雑誌、写真集など)92件―だった。

 オバマ氏は昨年5月27日に現職の米大統領として初めて広島を訪問した。同FCによると、同月10日ごろからオバマ氏訪問に関連する撮影の支援依頼が増加。テレビのドキュメンタリーやニュース、情報番組で約30件に上った。平和記念公園(中区)の原爆慰霊碑や原爆ドームの撮影などだった。

 25年ぶりにリーグ優勝した広島東洋カープの活躍や、戦時下の呉や広島を舞台にしたアニメーション映画「この世界の片隅に」の全国的ヒットなどの話題が相次いだのも後押し。地道な誘致活動も影響したとみている。

 同FCは02年12月に設立。市から委託を受けてロケ誘致や施設利用の手続きの代行、ロケ地の情報提供、エキストラの募集などの支援を担う。支援件数は年々増加傾向で、これまでの最多は被爆70年の節目となった15年度の254件だった。

 同FCは「オバマ氏の訪問はそれだけインパクトがあった」と分析。オバマ氏が贈った折り鶴が原爆資料館に展示されていることなども踏まえ、「今後も節目節目で支援を依頼されるのではないか」とみている。

(2017年5月23日朝刊掲載)

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