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核禁止条約交渉 次回も参加せず 外相表明「考え方一貫」

 岸田文雄外相(広島1区)は26日の記者会見で、米ニューヨークの国連本部で6、7月にある「核兵器禁止条約」の制定交渉に政府として参加しない考えを表明した。3月の第1回交渉で参加を見送り、被爆地から方針転換を求める声が出ていたが、「交渉を推し進めると核兵器保有国と非保有国の対立を深める」との見方をあらためて示した。

 岸田氏は、核保有国が参加していないことなどを理由に、交渉の在り方に否定的な見解を示した上で「政府の基本的な考え方は一貫しており、(第2回交渉も)同じ対応を続けることになる」と述べた。

 被爆地からの参加を促す声に対し、岸田氏は「被爆者や多くの国民の意見は重たく、受け止めなければならない。核兵器のない世界を目指すという目標についてはしっかりと共有している」と強調。核兵器削減に向け、保有国と非保有国が共に参加する枠組みで「現実的、実践的な取り組みを進める」と説明した。

 交渉会議の議長が「被爆者の苦しみに留意する」との表現を盛り込んだ条約の草案を公表したことについては「参加していない立場から、内容について何か申し上げることは控える」とした。(田中美千子)

(2017年5月27日朝刊掲載)

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