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被爆手記 サイトで紹介 東京のNPO 事業開始へ

 NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)は27日、被爆者の手記を電子データ化して、ウェブサイト上で紹介するプロジェクト「未来につなぐ被爆の記憶」を始めると発表した。事業の一環として、このサイトを活用した若者向けのイベントも開き、記憶の継承を図る。

 同法人は5年前から、被爆体験記や被爆者運動の記録の収集を進めている。今回はこのうち、全国各地の被爆者団体が発行した手記集など約400冊分を電子データ化する。首都大学東京の渡邉英徳准教授の協力を得て年内にも開設するサイトで、順次公開していく。

 手記をサイト上に載せる作業を体験したり、執筆した被爆者と交流したりする若者向けのイベントも開く。本年度は一部地域で試行し、来春から全国各地での開催を目指す。

 この日、同法人が東京都内で開いた記者会見で、事業を担当する理事の岡山史興さん(32)は「広島、長崎以外では原爆への関心が必ずしも高くない。各地の被爆者の手記を紹介し、イベントも全国展開することで、身近な問題と考える人を増やしたい」と話した。(田中美千子)

(2017年5月28日朝刊掲載)

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