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米捕虜研究 森氏を表彰 日本記者クラブ特別賞

 優れたジャーナリズム活動をたたえる2017年度の「日本記者クラブ賞」の授賞式が29日、東京都内であった。広島で被爆死した米兵捕虜の実態を長年にわたり調べて明らかにした、被爆者で歴史研究家の森重昭氏(80)=広島市西区=が特別賞を受け取った。

 米兵捕虜について森氏は元捕虜から証言を聞いたり、資料を集めたりして12人の身元を突き止めた。授賞式で日本記者クラブの小田尚理事長は「持続力、行動力はジャーナリストの見本になる」と称賛。森氏は「情熱を持ち、調査に人生を懸けた」と振り返った。

 1970年代に楽器会社勤めをしながら独自の調査を始めた森氏。米国のオバマ大統領(当時)が広島を訪れた2016年には演説の場に招かれ、オバマ氏と抱擁を交わした。

 日本記者クラブ賞は、米国報道に長く携わり、日米首脳による広島と米ハワイ真珠湾の相互訪問を訴え続けた元共同通信記者のジャーナリスト松尾文夫氏(83)に贈られた。特別賞は、富山市議の政務活動費不正を明らかにしたチューリップテレビ(富山県高岡市)の取材チームも受賞した。(野崎建一郎)

(2017年5月30日朝刊掲載)

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