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日展画家倉橋さん作品展 初公開 岡山空襲題材14点 井原 弟子の藤井さん企画

 岡山空襲の日の29日を前に、井原市出身の日展画家、倉橋英男さん(1907~2002年)が空襲被災地などを描いた作品の展示会が21日、同市井原町の古民家カフェ「がぜん房」で始まった。遺族から作品を譲り受けた地元の弟子で、アマチュア画家の藤井莞二さん(78)が企画し、初公開の14点が並ぶ。30日まで。無料。

 1945年6月の岡山空襲直後に描かれた水彩画「岡山城跡所見」は天守を焼失した同城が題材。同年制作の油彩画「岡山戦災跡図」は焼け野原となった市街地を描写する。倉橋さんは同年の東京大空襲で被災し、焼失した東京の恩師宅を描いた作品もある。

 藤井さんはことし2月、遺品を整理した遺族から14点を譲り受けた。6歳の時、岡山空襲で現在の岡山市北区にあった自宅を失った藤井さんが「岡山空襲の惨禍と、焼け跡を描き残した恩師の足跡を多くの人に知ってほしい」と企画した。

 倉橋さんは旧制興譲館中(現興譲館高)を卒業後に上京。倉敷市出身の柚木久太に師事し、帝展や日展でそれぞれ入選した。戦後帰郷し、焦土となった岡山市を度々訪れ、創作を続けた。

 がぜん房の営業は午前11時~午後5時。会期中は無休。がぜん房☎0866(62)0108。(小川満久)

(2017年6月22日朝刊掲載)

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