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島根原発2号機 宍道断層の再延長検討 中電 対策費増す可能性

 中国電力が、島根原発2号機(松江市)の近くにある宍道断層の長さの評価を現在の25キロから再び延長する方向で検討していることが28日、分かった。断層の存在や長さを見直すのは5回目。想定される地震の規模が大きくなり、安全対策費が膨らむ可能性がある。(河野揚)

 原子力規制委員会の定例会合がこの日あり、担当者が明らかにした。審査会合での指摘を踏まえ、中電が東方向への延長を検討する方針を規制委に伝えたという。中電は「何キロ延長するかは決まっていない」としている。

 原発の南約2・5キロにある宍道断層を巡っては、政府の地震調査研究推進本部が昨年7月、新たな調査で東に延びる可能性を指摘。規制委が中電に説明を求めたが、中電は延びない根拠を示せていなかった。

 規制委は地質データを充実させるため、中電に追加調査を求めており、回答を待っているという。同本部の資料によると、宍道断層は最長で30キロ程度になる可能性があるが、最終的な長さは今後の調査を踏まえて固まるとみられる。

 活断層の長さを大きく延長すれば、想定される地震の最大の揺れの強さ「基準地震動」が上がるケースがある。規模によっては設備の追加工事が必要になり、現在4千億円超とする安全対策費がさらに増える可能性もある。

 中電は建設当初、活断層はないと主張していたが、その後8キロ、10キロ、22キロ、25キロと見直してきた。過去の調査で中電は東には延びないと説明してきた経緯があり、地元住民や自治体に丁寧な説明が求められそうだ。

(2017年6月29日朝刊掲載)

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