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在韓被爆者 集団提訴へ 広島など3地裁

■記者 野田華奈子

 日本国内に居住していないことを理由に、健康管理手当を打ち切られるなど被爆者援護法から切り捨てられ精神的損害を受けたとして、在外被爆者で最多の在韓被爆者のうち約380人が5日にも、国に損害賠償を求める第1次集団訴訟を広島、長崎、大阪の3地裁に起こす。米国、ブラジルの被爆者に続く提訴となり、最終的な原告数は2000人を超える見通し。

 弁護団によると、地裁別の原告は広島約120人、長崎約120-130人、大阪130人。1人当たり120万円の慰謝料などを求める。今後も何回かに分けて追加提訴する予定。

 昨年11月、被爆者の出国で健康管理手当を打ち切るとした1974年の旧厚生省局長通達(402号通達)を違法とし、原告に国家賠償を命じた韓国人元徴用工訴訟判決が最高裁で確定。これを受け、厚生労働省は今年8月、国に裁判を起こして裁判所が事実認定すれば、一律120万円を支払うと表明していた。

 長崎の支援者によると、米国、ブラジル、韓国のほかに、スウェーデン在住の被爆者らが準備を進めているという。

(2008年12月2日朝刊掲載)

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