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アフガン女性 壊れた義足 善意で新調 大田の中村ブレイス

 大田市大森町とアフガニスタンを舞台に2003年制作された映画「アイ・ラヴ・ピース」で、地雷により右足を失った少女を演じたアフィファ・アミリさん(23)が28日、14年ぶりに同町の義肢・装具メーカーの中村ブレイスを訪れた。新しい義足を作ってもらい、歩行訓練を経て、7月15日に帰国する。(城戸昭夫)

 「義足が壊れて誰も直せません。助けてください」。現在、アフガンの首都カブールに暮らすアミリさんはことし1月、同社の中村俊郎社長(69)に、助けを求めるメールを兄のパソコンから送った。

 義足の経年劣化に加え、足が細くなって義足をつなぐソケット部分と合わなくなっていた。「3年間、家にこもり、トイレにも行けず、ずっと泣いていた日もあった」という。

 中村社長は映画撮影時の通訳を介して来日を提案。同社が渡航費と滞在費、通訳の手配費用などの全額約200万円を負担することで実現した。新しい義足は同社からのプレゼントとなる。

 27日に来日したアミリさんはこの日、出雲空港で中村社長らと合流。同社では社員約70人が出迎える中、中村社長と孫の悠太郎君(2)から花束を受け、「うれしくて気持ちを表す言葉が見つからない」と喜びを語った。早速、ソケットなどの採寸と型どりをした。

 新しい義足は10日ごろに完成し、帰国まで歩行訓練をする。中村社長は「不思議でうれしい再会だ。ベストを尽くしたい」と話している。

(2017年6月29日朝刊掲載)

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