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ボーリングきょう着手 上関原発予定地 中電、1年かけ調査

 中国電力は29日、山口県上関町の上関原発建設予定地で、原発の新規制基準を踏まえた新たなボーリング調査を30日に始めると発表した。期間は約1年間。既設原発の審査で認められた手法で、断層評価のデータ補強が目的という。「将来を見据え、万全を期すため」とする。

 陸域6カ所程度で調査。地中約250メートルまで掘って試料を採取する。対象は、2009年までの調査で「約12万~13万年前以降の活動はない」と判断した断層。約1200万~1600万年前にできたとされる鉱物脈に、断層の動きで破壊された形跡がないかを確かめ、活動性を評価する。

 敷地内でのボーリング調査は、11年3月に発生した福島第1原発事故の影響で準備工事が中断して以降初めて。中電によると今回の調査は、13年7月施行の新規制基準に適合し、昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の審査などで採用された断層評価の手法という。

 上関原発に関しては福島の事故後、国の審査が開かれていない。政府が原発の新増設を「現時点で想定していない」とする中、中電は「重要な経営課題」として早期着工に意欲を示している。(井上龍太郎)

(2017年6月30日朝刊掲載)

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