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3市町長 要望継続強調 艦載機岩国移転 知事に「容認」伝達 

 米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転を「容認」した3市町の首長が県庁を訪れ、村岡嗣政知事へ意向を伝えた29日の「4者協議」。岩国市の福田良彦市長と周防大島、和木両町長は一様に、移転後を見据えた要望を強調した。一方、反対する市民は最後まで阻止を訴えた。最終局面への舞台が整えられる中、村岡知事は30日、県議会の議場に立つ。(和多正憲、折口慎一郎)

 「10年余り、地域でさまざまな意見がある中で判断された。敬意を表したい」。3市町長と非公開で協議後、村岡知事はそう話した。これまで「地元の意向尊重」を繰り返してきた知事。この日の協議で判断は固まった形だ。

 布石はさらに打たれた。県は「米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設見通しが立たないうちに艦載機移転のみを切り離して進めることは認められない」との基本スタンスを前提条件とする。県は同日、国から「岩国移転のみを進める考えはない」との回答があったと発表。外務、防衛両省の文書が報道陣に配られた。

 協議後、既に容認表明した福田市長は「今後も騒音問題や交付金の増額・延長で粘り強く協議する」と強調。周防大島町の椎木巧町長も「引き続き国に支援を求める」、和木町の米本正明町長も「これからがスタートだ」と応じた。

 米軍機はこれまでも県境や行政区域を越えて飛行し、訓練してきた。報道陣から、県が「地元」とする3市町以外の自治体の意向確認の必要性を問われると、村岡知事は「広島県内でも懸念の声があるのは承知している。国がしっかり対応するのが基本だ」とした。

(2017年6月30日朝刊掲載)

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