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原発「国の政策みて判断」 山口 山本知事が初登庁

 山本繁太郎山口県知事が22日、就任し、県庁に初登庁した。選挙戦で訴えた産業振興や人材育成を軸に、地域活性化を図る考えを表明。国策絡みの米軍基地や原発建設計画への対応は二井関成前知事の方針を引き継ぐ考えをあらためて示した。(金刺大五)

 会見では「二井県政で培われた発展基盤をベースに県民力を結集し、山口を再起動したい」と抱負を述べた。公約集で産業再生に向け掲げた産業戦略本部(仮称)の設置について「9月議会で基本的な考えを示せるよう、できるだけ早く取り組みたい」とした。

 岩国市の米海兵隊岩国基地に陸揚げされた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの安全性の問題に関し、森本敏防衛相が近く説明に訪れる予定。9月上旬まで入院する山本知事は「(登庁して)自ら大臣に会うこともできるし、最少の支障でしのぐ」とし、国の説明を聞いて県の対応を決める意向を示した。

 上関町の原発建設計画については、二井前知事が10月に期限を迎える公有水面埋め立て免許を失効させる意向を示したことを受け、「考え方を引き継ぐ」と表明。ただ、「国の政策が出た上で判断が求められる」と述べ、計画再開に含みを残した。

オスプレイ、検証聞く 一問一答

 山本知事の会見での主な発言は次の通り。

  ―初登庁の心境は。
 厳しい選挙で県民から温かい支援をもらい、初当選した。責任の重さを痛感し、与えられた任務を精いっぱい全うしたい。

  ―上関町の原発建設計画への対応は。
 最も国家にとって基本的なエネルギー基本計画が策定されるのが前提。今、コメントできる段階にない。

  ―選挙では「凍結」としていました。
 福島第1原発事故で新規立地の政策的ベースがゼロになり、凍結状態になっている。国の政策が樹立されなければ凍結状態は続く。

  ―公有水面埋め立て免許への対応は。
 二井前知事が6月の議会で法的整理をした上で、(現状では延長は認めないとの)方針を表明している。その考えを引き継ぐ。

  ―岩国基地のオスプレイへの住民不安は。
 フロリダ州での墜落事故の件も含め、米国の調査を国が検証した上で、県としてきちんとした説明を聞き、対応を判断する。

  ―二井前知事が国に要望した長期滞留への反対など5項目は。
 県として国に文書で申し入れており、当然、引き継ぐ。

(2012年8月23日朝刊掲載)

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