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125人、核廃絶議論 IPPNW 医学生会議が開幕 広島

 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の医学生会議が22日、広島市中区の広島国際会議場で開幕した。米国やロシア、英国、インドネシア、ナイジェリア、イランなど24カ国の医学生や若手医師ら125人が参加。被爆者の基調講演や、ワークショップなどで核兵器廃絶に向けた議論を深めた。

 22歳で被爆した元産婦人科医師中本雅子さん(89)=西区=が英語で基調講演。爆心地から約2・7キロの陸軍被服支廠(ししょう)(現南区出汐)の事務所で原爆に遭い、中庭の診療所で医師と看護師を手伝ったが、何もできなかった無力さから医師を目指した経緯を話した。

 続いて、会議参加者のうち18カ国の40人が9~20日に長崎市から広島市まで約540キロを自転車で走り、核の健康被害や核廃絶を訴えた「バイクツアー」について報告した。

 「ヒバクシャ」をテーマにしたワークショップでは、福島第1原発事故で福島県飯舘村から家族5人で広島市に移住した青木達也さん(38)が講演。国際原子力機関(IAEA)が昨年3月末に村を要避難地域としたにもかかわらず、4月11日まで安全と言い続けた国や村の対応を批判し、「原発と人間が共存できるなら私は今ここにいない」と訴えた。熱心に聴いていたインドの医学生アジンキャ・カリさん(22)は「これまで聞いていたフクシマの情報より随分ひどい」と話していた。

 最終日の23日は、引き続きワークショップなどを行い、今後の活動計画を発表して閉幕する。(二井理江)

(2012年8月23日朝刊掲載)

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