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IPPNW 広島で世界大会 医療者視点で世論喚起

 IPPNW世界大会初日の24日、出席者は核兵器のない世界を実現するための具体策を話し合った。核兵器禁止条約の早期締結を目指すため、その非人道性を国際世論に訴えていくことで一致した。

 核兵器廃絶に関する全体会議には5人が登壇した。IPPNW北米地域代表のアイラ・ヘルファンド副会長(米国)は核戦争が引き起こす「核の冬」を警告。独自に推計したデータを踏まえ、「世界の気候は恐ろしいほど変わる。農作物の凶作で多くの人が餓死するだろう」と述べた。

 IPPNWは核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の中核を担う。キャンペーンを進める同名の非政府組織(NGO)、ICANの川崎哲副代表は「核兵器の非人道性の訴えに説得力を持たせるには、原爆の健康影響など医療者による情報発信が欠かせない」と指摘した。

 東南アジア・太平洋地域代表のティルマン・ラフ副会長(オーストラリア)が「条約締結に向けて市民のうねりを起こし、核兵器保有国のリーダーに圧力をかけよう」と呼び掛けると、会場から拍手が起きた。(田中美千子)

(2012年8月25日朝刊掲載)

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