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ノーモア被曝者アピール IPPNW大会閉幕 広島

 広島市中区の広島国際会議場で開かれていた第20回核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会は26日、閉幕した。核兵器廃絶とともに、原発事故などで新たな被曝(ひばく)者を出さないよう訴える“「ヒロシマ平和アピール」”を発表した。

 アピールは世界大会会長の平松恵一IPPNW日本支部長が閉会式で読み上げた。「原発、核廃棄物、核兵器など全ての核の連鎖は健康と環境、安全保障への危険に満ちている。二度と新たなヒバクシャを出してはならない」と強調した。

 大会を通じてIPPNWとして取り組むよう求める声があった脱原発はアピールに盛り込まなかった。大会終了後の記者会見で、アイラ・ヘルファンド新共同会長は「原子力エネルギーの危険性はこれまでも訴えてきた」と説明した。

 この日は3日間の大会を総括する全体会議があった。核兵器禁止条約の早期締結のほか、平和を脅かす小型武器輸出の禁止への取り組みなどにも力を入れることを確認した。

 このほか、原子力エネルギーをテーマにした全体会議もあった。IPPNWヨーロッパ地域代表のラーズ・ポールマイヤー副会長(ドイツ)は「原発事故は世界規模で人類に健康不安を生じさせる」と主張した。福島第1原発事故の医療支援について広島の医師たちの報告もあった。

 今回の大会には日本を含む45カ国から約500人が参加。閉幕後に開いた国際評議員会で、次回大会を2014年、カザフスタンの首都アスタナで開く方針を決めた。(山本堅太郎)

(2012年8月27日朝刊掲載)

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