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復興した広島に感激 リバさん50年ぶりロケ地巡

■記者 守田靖

 復興期の広島が舞台の日仏合作映画「ヒロシマ・モナムール(邦題『二十四時間の情事』)」の主演女優エマニュエル・リバさん(81)が来日し、5日、撮影以来50年ぶりに広島の街を歩いた。ロケ地を巡りながら平和への思いを熱く語り、市民とも交流した。

 前日の4日に来日したリバさんは旅の疲れも見せず、中区の平和記念公園を訪ねた。映画の重要シーンを撮った広島国際会議場(旧新広島ホテル)付近を散策し、「昔の家並みはなくなったが、広島の山の格好は同じ」と懐かしんだ。

 その後、原爆慰霊碑の前で「当時、平和のための映画をつくろうとフランスから来た。平和が大事というメッセージは今も生きている」と強調。慰霊碑に花を手向け、平和の灯を静かに見つめた。

 「モナムール」を再上映している中区の映画館「シネツイン本通り」や、広島市役所、自らが撮影した写真が展示されているギャラリーにも。映画館で「お帰りなさい」と声を掛けられると、「50年たって、本当に広島に来られるとは…。何を話していいか分からないほど感動している」と言葉を詰まらせた。

 広島市役所では秋葉忠利市長に「街が大きく美しくなった。完全に復興したことを幸せに思う」。記者会見では「広島の街が二度と暴力に遭わないよう願っています」と熱く語った。

(2008年12月6日朝刊掲載)

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