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防衛相と会談 二井県政継承にじむ 山本山口知事が「初仕事」

 山口県の山本繁太郎知事は30日、県庁で森本敏防衛相と会い、米海兵隊岩国基地(岩国市)に陸揚げされた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関する説明を受けた。山本知事は22日の就任以前から肺炎のため入院中。この日は医師の許可を得て登庁し、事実上の初仕事をした。機体の安全性に疑問を呈し「国に物言う姿勢」を示す一方、国防への協力姿勢もにじませるなど、二井関成前知事の県政継承を印象づけた。

 予定の20分を超えた約30分の会談で山本知事は「個別事故の原因究明、再発防止策だけで心の底から安心、安全といえるかというと十分ではない」と指摘。より実効性が高い安全性の確保など「特別な配慮」を求めた。

 会談後の取材に「まだ中間報告で評価する段階でない」と述べ、「いかに優秀な装備であろうと無限の不安にさらされている」とも話した。森本防衛相が表明したオスプレイへの「体験搭乗」については「全く頭にない」とした。

 一方、「わざわざ大臣においでいただき、限られた時間で政府は安全性の確認について総力を挙げ、真摯(しんし)に対応している」とも発言。政府の説明姿勢には一定の評価をみせた。

 山本知事は健康状態について「予定通り」と述べ、来月上旬に退院し、10日から県庁で公務に就く見通しを示した。(金刺大五)

(2012年8月31日朝刊掲載)

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