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平和大橋が語る復興 イサム・ノグチの手紙や設計図展示

■記者 水川恭輔

 広島の復興のシンボルの平和大橋(広島市中区)の欄干をデザインした彫刻家イサム・ノグチ(1904-88年)の制作当時の資料や作品を展示する「萬來舎(ばんらいしゃ)から学ぶ-広島の芸術と都市計画」が8日、広島市立大芸術資料館(安佐南区)で始まった。

 平和大橋が完成する前年の1951年に製作された50分の1の設計図や、日本の関係者にあてた手紙など約40点を紹介。広島を訪れる途中に立ち寄った岐阜県で和紙の魅力を知ったノグチが、和紙で制作して85年のベネチア・ビエンナーレ(イタリア)に出品した作品「2mのあかり」も展示する。

 市立大教授などでつくる実行委の主催。ノグチが設計にかかわった東京の慶応大の談話室「萬來舎」が2003年に解体されたのを受け、平和大橋の保存価値を再認識してもらおうと企画した。

 委員長の前川義春・市立大芸術学部教授は「橋を残し、そこに込められた鎮魂と希望を世界に発信する必要性を多くの人に感じてほしい」と話す。21日まで。無料。期間中は中区上八丁堀のギャラリーGでも建設途中の橋の写真などを展示している。

(2008年12月9日朝刊掲載)

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