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英国で核兵器廃絶訴え 被爆者ら、集いに参加へ

 広島の被爆者や被爆2世らが今月半ば、英国の若者たちが企画し、ロンドンなどで開かれる平和を考える集いに参加する。被爆体験の証言などで核兵器廃絶を訴える。

 英国を訪れるのは、爆心地から約1・4キロで被爆した山中恵美子さん(78)=呉市、広島市出身の被爆2世で、現代美術家の田中勝さん(43)=山形市=ら。8、9、15日にロンドンやバーミンガムなどである平和の集いに参加する。

 山中さんの被爆証言に加え、田中さんが被爆者の父と出演したドキュメンタリー映画の上映や、折り鶴を使ったアート作品を来場者と一緒に制作することも計画している。

 きっかけは、5年ほど前、原爆資料館(広島市中区)を案内するピースボランティアの品川正則さん(71)と妻俊子さん(66)=南区=が英国の若者を案内したこと。口コミでヒロシマ訪問の輪が英国内で広がり、約20人をガイドした。今年6月、英国に来て平和の集いに参加してほしいとの依頼を受け、「広島に来て学び、核兵器廃絶を真剣に考えてくれる若者の気持ちに応えたい」と快諾。山中さんらに声を掛けた。

 山中さんは「核は絶対に反対だという思いを若い人たちに託したい」。田中さんは「それぞれが平和への思いを共有し、考える場にしたい」と話している。(増田咲子)

(2012年9月3日朝刊掲載)

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