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連載・特集

新景 平和記念公園かいわい <1> ホワイトパノラマ 被爆 視覚に訴える

 米軍のB29爆撃機エノラ・ゲイ号から投下された原子爆弾が、雲を抜けながら広島の街に迫る。一瞬、真っ白な無の世界になった後、赤みを帯びたきのこ雲が湧き上がり、変わり果てた街の姿が写真で映し出される。

 原爆資料館(広島市中区)の東館3階で公開されている「ホワイトパノラマ」。6台の投影機器で、1945年8月6日前後の広島を視覚的に伝える。南区の会社員飯原和沙さん(39)は「一瞬で街を破壊した原爆の恐ろしさが伝わる」と見入った。

 東館の展示は4月、内容を全面的に見直して約2年8カ月ぶりに再開した。ホワイトパノラマを公開前に見た米国のケリー前国務長官は「衝撃的で胸をえぐられるようだった」と述べている。

 地下1階には、昨年5月に現職の米大統領として初来館したオバマ氏が自作した折り鶴も飾られている。来館者数は昨年度、25年ぶりに過去最多となり、今もその勢いは続いている。(下高充生)

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 被爆72年を前に、中区の平和記念公園周辺の新景を紹介する。

(2017年7月25日朝刊掲載)

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