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50万羽の折り鶴で追悼 6日「山口のヒロシマデー」

 山口で亡くなった被爆者を追悼する「山口のヒロシマデー」の6日に向け、コープやまぐち(山口市)や山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑(同)が、50万羽の折り鶴を商店街に飾るなど平和の訴えに力を入れている。

 ゆだ苑によると、市内にあった山口陸軍病院に広島で被爆した人が収容され死亡。近くの墓地の一角に埋めたとの証言を基に、1973年9月6日に発掘を始め、少なくとも13体の身元不明の遺骨が見つかったという。慰霊のため、74年の同日、病院があった辺りに原爆死没者之碑を建立して除幕。75年からは毎年この日に、碑の前で原爆死没者追悼平和式典を開催している。このため、この日は山口のヒロシマデーと呼ばれるようになった。

 コープやまぐちなどは式典に合わせて、山口から平和のメッセージを発信しようと、10年前から折り鶴の飾り付けを始めた。県内から新たに集めた折り鶴に、昨年の式典で奉納された分などを加えた計50万羽を、7日まで市内の商店街アーケードに飾っている。8月28日には、核兵器と戦争のない未来を考えるやまぐちピースフォーラムと、6市町の首長が平和活動への思いを語る山口県版平和市長会議を市内で開いた。

 コープやまぐちの組合員活動担当の岡康教さん(30)は「人口比では広島・長崎に次いで被爆者の多い山口県でも山口のヒロシマデーを知らない人は多い。折り鶴の飾り付けなどを通して、県内外の人に平和への思いを強めてもらいたい」と話している。(藤田龍治)

(2012年9月3日朝刊掲載)

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