新景 平和記念公園かいわい <2> 原爆資料館本館 土中の惨禍 日の目
17年7月26日
広島市中区の原爆資料館本館のピロティに、発掘調査で掘り起こされた石が無造作に置かれていた。北側に目を向けると、原爆慰霊碑と平和の灯(ともしび)、原爆ドームが直線上に並び、芝生や木々の緑がまぶしい。
発掘調査は、2019年7月の完了を目指す資料館の耐震改修を前に、15年11月に市が始めた。現在は、高さ約2メートルの白いパネルがぐるりと囲み、中で重機が動いている。
地表の下からは、被爆時の街並みの遺構や、焼け焦げたしゃもじ、熱で溶けたガラス片などの生活用品が出土。被爆の惨禍とともに土中に閉じ込められていた山積みの石と、世界から観光客を受け入れる平和記念公園の日常が描くコントラストはまるで絵画のようだ。
出土した被爆時の地表面は、今月11日から東館地下1階で展示されている。父が被爆者の主婦竹元直子さん(56)=廿日市市=は「ここが生活の場だった証し。惨状を二度と繰り返してはならない」と語る。(辻本夕貴)
(2017年7月26日朝刊掲載)
発掘調査は、2019年7月の完了を目指す資料館の耐震改修を前に、15年11月に市が始めた。現在は、高さ約2メートルの白いパネルがぐるりと囲み、中で重機が動いている。
地表の下からは、被爆時の街並みの遺構や、焼け焦げたしゃもじ、熱で溶けたガラス片などの生活用品が出土。被爆の惨禍とともに土中に閉じ込められていた山積みの石と、世界から観光客を受け入れる平和記念公園の日常が描くコントラストはまるで絵画のようだ。
出土した被爆時の地表面は、今月11日から東館地下1階で展示されている。父が被爆者の主婦竹元直子さん(56)=廿日市市=は「ここが生活の場だった証し。惨状を二度と繰り返してはならない」と語る。(辻本夕貴)
(2017年7月26日朝刊掲載)