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「原発ゼロ」1300人集会 松江 中電支社前を行進

 「もう動かさない!原発ゼロでいこう1000人集会」が2日、中国電力島根原子力発電所が立地する松江市のくにびきメッセであった。市民有志でつくる実行委員会が主催。再生可能エネルギーの普及など、原発に依存しない社会の実現方法を探った。

 主に中国地方5県から約1300人(主催者発表)が参加。3月に全国約300人の企業経営者で発足した「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」(東京)の鈴木悌介世話人代表(56)が講演した。「(原発の)反対運動より、エネルギー自給の仕組みを身の回りから広げていくことが大事だ」と訴えた。

 集会の後、約千人が中電島根支社前を経由し県庁まで約2キロをデモ行進。「(原発)再稼働反対」「自然エネルギーいいぞ」と声を上げた。倉吉市の主婦宮本和美さん(50)は「放射性物質の被害が一番怖い。子どものためにも原発をなくしてほしい」と話していた。(樋口浩二)



エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議世話役代表

 
鈴木悌介さん(56)=神奈川県小田原市

脱原発 企業に方策提案

 「原発の反対運動は対立軸を生む。それよりも、新しい現実をつくる方向に動こう」。2日、大学教授や弁護士でつくる実行委員会が松江市で開いた脱原発集会で講演。再生可能エネルギーの普及で、原発の発電比率を減らす必要性を訴えた。

 「経済界にも脱原発の声はある」。3月、全国の中小企業経営者たち約300人で新エネルギーのあり方を探るネットワーク組織を設立、世話役代表に就いた。「企業が取り組めるエネルギー自給の仕組みを提案したい」と、10月には地元の小田原市で太陽光発電事業を手掛ける新会社も発足させる。

 かまぼこメーカーの副社長を務める。今夏は発光ダイオード(LED)照明の採用など自社工場で節電を試し「工夫次第で15、20%と順次クリアできた」と振り返る。

 その上で、脱原発に伴う経済縮小論を否定する。「企業が電気の使い方を見直す流れが広まれば、エコビジネスが新たな産業分野となる」(樋口浩二)

(2012年9月3、6日朝刊掲載)

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