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被爆体験伝える演奏会 6日東広島 併せて2年ぶり慰霊式

 東広島青少年オーケストラ運営委員会は8月6日、東広島市八本松南2丁目の八本松地域センターで無料の平和コンサートを開く。音楽演奏への参加を通して子どもに被爆体験を伝える初の取り組み。市原爆被害者の会もこれに併せ、2年ぶりに慰霊式を開く。(森岡恭子)

 オーケストラは市内の小学生以上の約20人でつくる。メンバーは、市原爆被害者の会が同センターで開いていた慰霊式で2006~15年、演奏や合唱を披露し、犠牲者をしのんできた。

 しかし、昨年は同会が会員の高齢化などを理由に、1993年から続く慰霊式を断念。被爆体験の継承に危機感を覚えたオーケストラの指導者有谿(ありたに)英彰さん(62)が中心となり、原爆を題材とした音楽のコンサートを企画した。

 この企画を受け、同会はことし、慰霊式を再開することを決めた。当日は午後1時半から慰霊式を開き、オーケストラや一般参加者が同センターの慰霊碑に「折り鶴」などの合唱をささげる。

 コンサートは午後2時から。原爆投下後に広島市内で救護活動をした賀茂高等女学校(現賀茂高)の生徒の手記集を基に有谿さんが03年に作曲した「姫さゆり」など計4曲を歌い、奏でる。

 コンサートはヒロシマ平和創造基金による「ヒロシマピースグラント2017」の助成対象に選ばれている。有谿さんは「東広島にも多くの被爆者がいる。音楽を通じて体験継承の輪を広げたい」と力を込める。

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 運営委員会は慰霊式とコンサートで、合唱またはバイオリンなど弦楽器を演奏する参加者を募っている。未経験者も参加可能。希望者は7月30日~8月5日に開く無料練習のいずれかに参加する。有谿さん☎080(2887)1930。

(2017年7月27日朝刊掲載)

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