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国際平和拠点ひろしま構想 本年度中に具体計画 推進委が初会合

 広島県は3日、核兵器廃絶や平和構築に向けた被爆地・広島の役割を示す「国際平和拠点ひろしま構想」を実現させる道筋を話し合う推進委員会(15人)の初会合を、広島市南区のホテルで開いた。委員を務める日豪の元外相たちが討議。湯崎英彦知事は本年度中に具体的な行動計画をまとめる考えを示した。(野崎建一郎)

 川口順子元外相やオーストラリアのギャレス・エバンス元外相、米プリンストン大のジョン・アイケンベリー教授(国際政治)、阿部信泰元国連事務次長たちが出席。オブザーバーを含めた国内外の13人が冒頭を除いて非公開で約5時間、協議した。

 終了後に記者会見した川口氏たちによると、「被爆の実態や復興のプロセスを伝える映画を製作しては」との提案が出たほか、「教育面で広島の役割は大きい。将来の世代に伝える道義的な責任がある」との声が相次いだ。

 また、同構想で広島開催を打ち出した核軍縮の多国間交渉に向けた円卓会議について、対象地域を「東アジアに焦点を当てるべきだ」「南アジアなども含めては」などの提起があったという。

 同構想は県が昨年10月まとめた。広島の役割として、核軍縮や紛争解決の研究集積▽平和構築分野の人材育成▽核不拡散に対する各国の取り組みの評価―などを掲げる。構想を協議したメンバーの大半が推進委も務める。

 湯崎知事は記者会見で「そう遠くないタイミングで行動計画をつくりたい」と説明。構想を実現させる具体案や達成の目標時期を取りまとめ、本年度中に発表したいとの考えを示した。推進委は4日も協議する。

(2012年9月4日朝刊掲載)

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