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鯉城通り 惨状知って 中区で「原爆の絵」パネル展

 原爆資料館(広島市中区)が所蔵する「原爆の絵」のうち、今の鯉城通り(中区)の被爆当時を描いた38点の複製のパネル展示が28日、通り沿いの旧日本銀行広島支店で始まった。被爆建物である同支店と周辺で被爆者が見た惨状を追体験してもらう試み。来年7月までの予定。

 旧日銀周辺や路面電車の袋町電停など描かれた場所ごとに絵をまとめて配置し、対比できるよう現在の写真も並べている。紙屋町交差点付近は、男女の区別の分からない遺体や被爆した電車などが多く描かれ、原爆のむごさが際立つ。

 原爆の絵は超高精細カメラで撮影した画像を使い、複製した。原爆資料館学芸課は「同じ地点の複数の絵を見ることで、その場所を立体的にイメージできる。ここで起こったことを実感してもらいたい」としている。

 資料館が昨年11~12月、米国で収集した被爆後の市街地の空撮など写真32点も初めて展示している。午前10時~午後5時。無料。(野田華奈子)

(2017年7月29日朝刊掲載)

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