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平和担う人材 どう育成 広島で国際フォーラム

 核兵器廃絶や平和構築に向けた被爆地・広島の役割を考える「国際平和フォーラムひろしま」が4日、広島市中区であった。広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」事業の一環。国連機関の顧問や研究者が人材づくりなどについて提言した。

 県と市でつくる実行委員会の主催で約240人が聴講した。パネルディスカッションでは、国連訓練調査研究所(ユニタール)のナスリーン・アジミ特別上級顧問たち5人が、紛争解決や被災地復興を担う人材づくりで被爆地が果たす役割について意見交換した。

 広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長は「(若者が)それぞれ関心を持った内容を追い求められるような支援が大事」と指摘。平和構築や核軍縮、原子力問題など幅広い分野で育成できる体制づくりを訴えた。ユニタール広島事務所の前所長であるアジミ顧問は、世界的に軍需産業に膨大な資金がつぎ込まれている現状に警鐘を鳴らすため、「広島でも軍備をテーマにした企画を」と求めた。

 パネルディスカッションに先立って湯崎英彦知事や松井一実市長たちがスピーチ。被爆体験の伝承や核軍縮推進、国際交流の拡大に取り組む決意を強調した。(野崎建一郎)

(2012年9月5日朝刊掲載)

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