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資料館の付属施設に 広島・中区の集会所 シュモー会館 

 広島市は5日、米国の平和活動家で特別名誉市民の故フロイド・シュモー氏(1895~2001年)が被爆者のために建てた中区江波二本松のシュモー会館を、原爆資料館(中区)の付属展示施設にする方針を固めた。広島の戦後復興を支援した外国人を紹介する場として、11月1日にオープンする。

 1951年建設の会館は木造平屋約55平方メートル。「シュモーハウス」と名付けられ、シュモー氏をはじめ、被爆直後の広島へ医薬品を届けたスイス人医師故マルセル・ジュノー博士たちの功績を伝える写真パネルなどを並べる。

 原則、月曜を除く週6日開館する。資料館を運営する市の外郭団体、広島平和文化センター(中区)が受け付け業務に職員1人を常駐させる。入館無料。

 会館はシュモー氏が米国で集めた募金などで49~53年に、被爆者の住宅、集会所として市内に建てた計21棟のうち、唯一現存する。広島南道路の建設予定地となったため、市は2010年度に移転、保存に着手。北西約40メートルの現在地にあった国有地を取得し、ことし3月までに劣化していた建物の補強工事や移転作業を終えていた。

 市は、13日開会の市議会定例会に関連の条例改正案を提案する。

 原爆資料館に付属施設を設けるのは初めて。市平和推進課は「資料館と一体的に運営し、展示内容の充実や利用の促進を図りたい」としている。(田中美千子)

(2012年9月6日朝刊掲載)

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