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核兵器廃絶の道筋探る 広島でシンポ 被爆地の役割議論

 核兵器廃絶への道筋を探る国際平和シンポジウムが29日、広島市中区の広島国際会議場であった。国連で7日に採択された核兵器禁止条約で核保有国や日本が反対し、条約を推進する国々との溝が深まる中、乗り越えるべき課題や被爆地の役割について考えた。

 米オバマ前政権で核不拡散政策を担当したジョン・ウルフスタール元特別補佐官(50)が「トランプ時代における挑戦」と題して基調講演した。「北朝鮮やイランとの対立で核兵器を巡る危険性が日々高まっている。被爆地の人々の苦しみを米国に伝えてほしい」と述べた。

 4人によるパネル討論では、条約の締結を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」の林田光弘キャンペーンリーダー(25)が「直接会った被爆者の顔を思い浮かべながら核問題を考えてほしい」と呼び掛けた。シンポの冒頭、アニメ映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督(56)が登壇。「原爆でなくなる前の街の普通をかみしめて描いた」と作品に込めた思いを披露した。

 1995年に始まり23回目。広島市、広島平和文化センター、朝日新聞社の主催で約400人が参加した。(川上裕)

(2017年7月30日朝刊掲載)

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