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ユダヤ人家族 杉原氏しのぶ 福山のホロコースト記念館

 第2次世界大戦中にリトアニア領事代理を務めた杉原千畝氏が出したビザで、ユダヤ人虐殺を逃れた女性の孫2人が29日、福山市御幸町のホロコースト記念館を初めて訪れた。家族の恩人の功績に思いをはせた。

 米ヒューストン市在住の姉妹で、大学生のソニア・ヘイマーさん(21)とジョアン・ヘイマーさん(18)。昨年亡くなった祖母エディット・ヘイマーさんの足跡をたどる旅の中で、母ミシェル・オノラトさんと来日した。

 記念館では、大塚信館長や吉田明生副館長に虐殺の歴史や杉原氏の功績を聞いた。パネルには2005年に来館し、体験談を語った際のエディットさんの写真もあり、3人は笑顔で眺めていた。

 杉原氏はビザ発給で6千人を救ったとされる。エディットさんは3歳だった1940年に日本を経て米国へ移住した。ソニアさんは「祖母は実物のビザを見せ、当時の体験を語ってくれた。足跡を明らかにし、大学で発表したい」と話した。

 この日は、杉原氏を研究する外務省外交史料館(東京)の白石仁章課長補佐の講演会もあった。(榎本直樹)

(2017年7月30日朝刊掲載)

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