×

ニュース

被団協に「二世委員会」 東京で初会合 全国組織化目指す

 被爆2世の運動の在り方を継続的に話し合う、日本被団協の「二世委員会」が6日発足し、東京都内で初会合を開いた。核兵器の廃絶をはじめとした被爆者運動の継承へ、被爆者と2世が日頃から共に活動する方針を決定。2世の全国組織化も目指す。

 委員は計12人で、内訳は広島、長崎など6都県の2世6人と、被団協役員6人。約3時間に及ぶ非公開の議論では、核兵器廃絶や原爆被害に対する「国の償い」の実現など被爆者が引っ張ってきた運動を引き継ぎ、高齢化する各地方組織の運営の担い手として、2世の役割の重要性を確認した。

 また2世の委員からは、現在の国費による年1回の健診に加え、がん検診など援護策の充実を求める意見が出た。継承へ、各地の2世団体や個人が集う組織づくりにも取り組むことにしたという。

 父親が被爆した三次市原爆被害者協議会の田口正行事務局長(55)は「親子で一緒に運動するのが自然。全国規模で取り組めるメリットは大きい」と期待する。

 被団協は2世との関わり方をめぐり、これまで国への施策要望にとどまっていたとの反省に立ち、2世を積極的に運動に引き込む方針を6月の定期総会で打ち出した。「二世委員会」の中村雄子委員長(80)は「被爆者がいなくなっても運動を続けられる基礎を築きたい」と話した。(岡田浩平)

(2012年9月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ