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平和大橋北の新歩行者橋 デザインに海外8社応募

■記者 武内宏介

 広島市が平和大橋(中区)の北側に新設する歩行者専用橋のデザインコンペに、海外7カ国の8社が名乗りを上げている。市の建設関連コンペに、海外から参加希望が寄せられるのは初めて。彫刻家イサム・ノグチ(1904-88年)が欄干をデザインした橋だけに、市は「世界的な知名度の高さが関心を呼んだ」とみている。

 作品を出すための応募登録をしたのはシンガポール2社、ドイツ、デンマーク、スイス、オーストリア、スペイン、オーストラリアの各1社。国内は22社だった。来年1月5日までに作品を提出し、3月に選考結果が発表される。

 歩行者専用橋の設置は、平和大橋両端にある狭い歩道の混雑を解消し、安全を確保するのが目的。北側約15メートルに架ける。幅6.5メートル、長さ83メートル。2014年度の完成を目指す。

 平和大橋の欄干は、イサム・ノグチがデザインした。太陽を模して、戦後復興の希望を表現。52年に完成した。市は今回、歩行者専用橋のデザインコンセプトの一つに「欄干との調和」を掲げた。

 応募登録に先立ち市は、国内にある159カ国の大使館を通じてコンペへの参加を呼び掛けた。海外から熱い視線が集まった背景には、国際平和都市の象徴の1つにかかわる事業という意義の重さがある、とみられる。

 市都市活性推進課は「多彩なデザインが集まる可能性が高まった」と海外からの応募登録を歓迎。「ヒロシマの平和への思いが、世界で共有されている証しでもある」としている。

(2008年12月11日朝刊掲載)

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